ログイン「まーまー、聞きなって。まず、成功判定はD%。これはいいね?」
「ああ、フツーだな」
実際、クトゥルフの呼び声を筆頭に、D%で成功判定をするゲームは多い。
「でさ、ここで同時に、成功度を出しちゃうのさ!」
「どういうこと?」
「成功率六十%だったとするじゃん? ここで、出目が五十五なら、十分の一の切り捨てで、成功度五! そんなカンジ~」
歌留奈の質問に、にひひと答えるきいろ。
「へー。出目が低けりゃいいってもんじゃないんだな。でも、さらに成功度とかいうのを求めるのはなんでだ?」
「このゲームでは、成功判定に成功しただけじゃ、成功にならないんだ。成功度で目標値を超える必要がある。ふつーはゼロとかだけどね」
「ほほー」と、感心する一同。
「でも、それがお前が言ってた……なんだっけ? ニンゲンコーガク? とどうつながるんだ?」
「うん。この成功度、ダメージ判定でも使うのですよ。つまり、一回ダイス振れば、ダメージ計算も楽ちん!」
「へー」と、コレまた感心する一同。
「よく考えますねえ、先輩」
「まーね! ボク、バカだけど賢いのがジマンだから!」
えっへんと、胸を反らすきいろ。「それ、自慢になってる?」と、歌留奈に突っ込まれる。
「あれ? でも、結局ダメージ計算の手間できるんじゃ? 相手にも防御力あるでしょう?」
「ないよ。秘境探検してるような時代だもん。鎧も防弾チョッキもナシ!」
「なるほどなー」
一息つき、お茶菓子に手を伸ばす一同。
「ダメージ計算はどうするの? 成功度が関わってくるのはわかったけど」
「それは、こーあんちゅー。あとちょっとで、面白いこと、ひらめきそうなんだけどなー」
きいろが、自分の頭をぐりぐりする。
「まあまあ、おせんべでも食べて。せっかく持ってきたんだし」
「あんがと。カレーが入る程度にしないとね」
青ざめる、るう。この後、カレーがあるのを忘れていた顔だ! すでに、煎餅を六枚も!
◆ ◆ ◆ 「カレー、できたわよー」「はーい!」
母に呼ばれ、ダイニングに向かう一同。
「カッレェ! カッレェ!」
スキップしながら母の先導のもと、ダイニングに向かうきいろたち。るうだけ少し、テンションが低い。
「どうぞ」
ほかほかごはんに、カレーが注がれる。瞳をキラキラさせる一同。ただし、るう除く。
「お母さん自慢の、キーマカレーだよ。いっただっきまーす!」
きいろの元気な声で、音頭取り。皆で、一斉にスプーンをつける。
「相変わらず、美味しいっすね!」
「うんうん。るうちゃん、きいろのお母さん、ほんとに料理が上手なんだよ」
「そうですね……」
美味しいは美味しい。が、煎餅とポテチのせいで、いまいち食が進まない。
「お口に合わなかった?」
「いえ! そんなことは!」
母の不安げな言葉に、これは失礼だと、一所懸命かきこむ、るう。
こうして、佐武家での食事は、つつがなく進んでいった。
◆ ◆ ◆ 食後は、皿洗いを手伝って、入浴タイム。じゃんけんで、入る順番を決める。ちなみに、父は最後。母はその前。きいろが思春期を迎えてから、そういう決まりになっていた。
一同、順番に風呂から上がり、パジャマモードに変身。
「ふい~。いい湯だった~!」
「完全にくつろぎモードだね、にこちゃん」
「アタシ、誰んちでもこんな感じだから」
パタパタと、うちわで自分を扇ぐ。
「じゃ、夜のクトゥルフやりますかー」
「わーい」という声と、パチパチという拍手が響く。
「今日は短めのシナリオだから、今夜中に終わると思う」
「必須技能は?」
「おなじみの、目星、聞き耳、図書館」
きいろの質問に、テキパキと答える歌留奈。
こんな感じでセッションは進んでいき……。
「楽しかったですー!」
クトゥルフ神話大好きるう、大満足である。
「うーん、キーパーとしてはメタ読みはあまりしないでほしいんだけどな」
「すいません」
「まーまー、そのへんの分別は、もっと慣れてからでいいじゃん。ボクも、キャラの客観視ができるようになるまで、結構かかったし」
きいろが、るうをかばう。
「そだぜ。歌留奈は細かすぎ」
「もう、私そんなに悪い?」
「悪い悪くないと言うより、せっかちだな」
むうと、落ち込む歌留奈。
「ほらほら、かるかん落ち込んじゃったじゃん。まずはお礼言お? キーパー、お疲れ様でした!」
「お疲れ様でした!」と、きいろに続く、にこと、るう。
「ああ、うん。あんまり口うるさくならないように気をつけるね」
「気にしない、気にしない! それより、お布団敷こ!」
きいろとともに、布団を用意する一同。
「ふう。なんだか、まだ眠くならねーや」
「だったらー……!」
にこの顔面に、枕を投げるきいろ。
「わぷ! やったな、この!」
枕を投げ返す。ぼふっと命中!
「る-うちゃん、さっきも今度もごめんねっと!」
歌留奈も、るうに枕を命中させる。
「ちょ……わたし、食べ過ぎで動けないので~」
へろへろ枕を投げかえするう。
「うーん、るうちゃん不調か。それじゃ、きいろ!」
「わっぷ! 二人がかりはひきょーだぞー!」
こんな調子で枕を投げ合う三人を、(素晴らしいな、友情って)と、目を細めて眺める。
るうは、ホラー趣味のせいで、気の合う友達が、なかなかできなかった。
でも、こんなに素晴らしい友人が、三人もできたのだ。
しんみりと、喜びを噛みしめる。
「ちょっと、いつまで騒いでるの!?」
「ひゃあ! ごめんなさい!」
騒ぎすぎて、母が乱入してきたので、枕投げ
程よく疲れたところで、「おやすみなさーい」と、眠りの世界に落ちる四人であった。
四月になり、五人はそれぞれ進級した。 三年組は、今年度から塾通いを始め、本格的に受験対策に取り組む。 四人が一度に幽霊と化してしまった卓ゲ部はというと、コミュ力が強化されたるうが、一年を複数人引っ張り込むことに成功し、存続となった。 るうといえば、にこと相変わらず清いお付き合いをしている。 そして、「コンテストの結果はまだだろうか」などと思いながら過ごし、夏休みに入った頃……。 皆のスマホに、るうからLINEの着信があった。貼られていたのは、一つのURL。「びっくりしないでくださいね!」とのメッセージ付きで。 塾から帰って、URLを開くと、「卓上ゲームコンテスト」のホームページが開かれる。 下にスクロールしていくと、「結果発表」の文字が、目に映り込む。 さらにスクロールすると……。 「最優秀賞 秘境探検 ジ・エクスプローラーズ」の文字が! 一同、Zoomに入ってくる。「やったよ! マジ!? 夢じゃない!?」「夢じゃないよ! ほっぺたつねったもん! 」「選評は……?」 きいろ、歌留奈の言葉に続き、にこが選評を読み上げる。「現役中学生が、これだけのものを作り上げたことに驚きました。年齢を考慮の外に置いても、内容も優れており、満場一致での最優秀賞となりました……だってさ!」「明日はお祝いしましょう!」 ノヴァルナが、上機嫌で手を叩く。「ですね! 一年の子たちも連れていきます!」 新リーダーも、ウッキウキ。「じゃあ、ボク、明日ケーキ買ってくるから!」「おー!」 少女たちの挑戦は、最高の結果で終わった。 きいろは、エクスプを足がかりにヒットゲームクリエイターとなるが、それは後のお話。 めでたしめでたし。
「わたし、誕生日が近いんですよ」 きいろがエクスプを投函した日、いつもの部室でるうが言う。「おお! お祝いしなきゃだね!」「お年玉はたくぜ~」「いえ、そんな高価なものでなくても!」 慌てて手を振る当人。「やっぱりホラーがほしい?」 歌留奈が問う。「ですね! ただ、リングとか呪怨とか、有名所はだいたい抑えちゃってまして」「ウン……難しいですね」 ノヴァルナが悩む。「夜に相談しよう! るーこ、当日をお楽しみに~」「ありがとうございます!」 というわけで夜。Zoomにて。「るーこ、ホラー小説とか映画の有名所、だいたい抑えちゃってそうだよね」「何が喜ばれるかしらね」 悩む一同。「あの、るうさんは、最近ボードゲームの道に入ったんですよね?」「そだよー」 ノヴァルナの問いに、気さくに答えるリーダー。「では、ホラーボードゲームなど喜ばれるのではないでしょうか」「それだ!」 きいろ、パチンと指を鳴らす。「よし、じゃあ探そう」 各自ググるのであった。 三月三日。当日。「おかえり、るう」「ただいま」「おじゃましまーす」 るうの父母から歓迎される一同。にこだけ、るうの家にお邪魔したことがあるので、先行していた。 室内には、ちょこんと棚の上に、お内裏様とお雛様が飾られている。「おーう、待ってたぜー」「今日は、『自分ちだと思ってくつろいでくんなー』しないのね」「さすがに、なあ」 歌留奈に冷やかされるも、借りてきた猫状態のにこ。「いやあ、るうにもお友達が出来て、一安心だよ。彼女さんができたって聞いたときは、さすがにびっくりしたけどね!」 恥ずかしさ絶頂の、るうにこ。父は、そんな娘たちにお構いなく、和やかトーク。「じゃあ、ケーキでも切り分けましょう」 談笑も一段落ついたところで、ホールショートケーキを取り出す母。「ふふ、ケーキもにこちんとお揃いだ」「恥ずかしいから、だーってろ」 小声で抗議。 そして、ハッピバースデー・トゥ・ユーに続き、十三本のろうそくを吹き消するう。「お誕生日、おめでとー!」「ありがとうございます!」 拍手が起こる。「ケーキが切り分けられ、一同再度談笑。「そいえばさ、にこちん」「なんぞ」「にこちんのおじさんたちには、るーことの仲、まだ言ってないの?」 むせる、にこ。「お前、ほ
冬休みも大過なく過ぎ。二月十三日のいつもの部室。「みんなー。明日は友チョコ持ってくるよ~」「お、サンキュな」 女子の一大イベント、バレンタイン! ただし、一部を除き、浮いた話と無縁な一同であるが。「ふっふー。にこちんは、るーこのおうちでデート済ませたんだもんねー。本気チョコっしょ? 本気チョコっしょ?」 リーダー、少々鬱陶しい。「ばっ……もう、そうだよ。悪いかよ」「悪くないよー。愛が深くて幸せものだねえ、るーこさんや」「はひっ! わたしも、本命手作りします!」 ひゅーひゅーとはやしたてるリーダー。やはり、ちょっと鬱陶しい。「日本では、女の子がチョコあげるそうですね」「そだねー。ドイツではどうなの?」「すでに出来上がってるカップルの、男性から女性に贈り物をする日です。花が多いですね」 ノヴァルナ、ドイツでの暮らしを回想する。 向こうにも、特に想い人はいなかったが。「うちでは、お母さん同士、花を贈りあっています」「ノヴァ子自身はどうするの?」「日本の風習に、合わせようかと思ってます」「へー。ノヴァ子、チョコには義理と本命があってね……」 日本流バレンタインの、レクチャーをするきいろ。「なるほど、安いチョコでいいんですね」「まあ、最近は義理チョコも廃れてるけどねー。さて、今日のゲームは、すしゴーですよー」 進級も近いので、だいぶ棚が寂しくなったが、今日もにぎやかに、ゲームをするのであった。 翌日。「はーい、クラスのみんなー。みんなのリーダー、きいろちゃんからの贈り物だよ~」 なんだかんだで、義理チョコ・友チョコを配りまくるリーダー。「佐武さん! ありがてえ! 今年も救われた!」 クラスの男子から、拝まれるリーダー。「にひひ。お返し期待してるよ~」「困りました。義理チョコ廃れているというから、持ってこなかったです」「あー。ボクが特別なんで、気にしないでいいよん、ノヴァ子」 「そうですか」と、ほっと胸に手を当てるノヴァルナ。 そして、放課後。いつもの部室。「みんなー! 友チョコどぞー!」「ありがと、きーちゃん。私からも」 皆の間で、チョコ交換が行われる。 そしてもちろん……。「えーと。あまり、上手じゃねーかもしれないけどさ」 照れくさそうに、るうにラッピングされたチョコを手渡す。「お気持ちだけ
「いや~、あれから大変だったよ。お父さんたち、完全にできあがっちゃって」 Zoomで、ため息をつくリーダー。両親ともにへべれけで、階段を登らせるのは危なかったため、客間の布団に寝かせてある。「できあがる? なにか、完成しましたか?」「あー。あーいう感じで、酔っ払って上機嫌な状態を、できあがるっていうんだ。ノヴァ子も大変だったんじゃない?」「ふらふらして、危なかったです」 一同苦笑。このZoomは、現在にこ抜きで行っている。「本題に入ろう。にこちんのプレゼント、何にしようか」「わたしも、それとなく好みを尋ねたんですけど、面白ければなんでもいいとのことでした」「だよねえ、にこちんは」 唸る四人。好みが幅広すぎるのも困りものだ。「逆に考えるんだ。面白ければ、本当になんでもいいのさって考えるんだ」 ジョジョのパロディを唐突に披露するきいろ。「にこちゃんがいたら、どうした急にって、ツッコまれるね、今の」「はは。まあ、それはさておき。四人で候補一つ出してさ、じゃんけんで勝った人の買おうよ」「それ、いいですね!」「わたしも賛成です」「私も」 三人、好感触。「それじゃーねー……」 最新ゲームを調べ始めるリーダーたちであった。 ◆ ◆ ◆「ただいまー」「おじゃましますー」 当日。にこが、るうとノヴァルナを連れて自宅に戻る。「おふぁへり」「きいろは、食べるか喋るかどっちかにしろ」「んぐ……。おかえり」 にこちんも、おかんルートかなあ、などと思うきいろ。 とはいえ、にこの目下のお相手は……。「そういば、るーことはもう、自宅デートしてるのかと思った」「あー……。まだなんだ、親父たちにカムアウトするのもちょっと気が引けて……。ノヴァっちみたいには勇気でねーや」 ちなみに、当の両親は、ともに仕事中。「先輩……。だったら、わたしのうちで自宅デートしましょう! 先輩のこと、打ち明け済みです!」 おおっと! 工藤選手、ここでシュート!「お、おう。じゃあ今度、よろしくな」 これは、るうがペース握るねー。と、にやにや顔を見合わせる、きいろと歌留奈。「ま、積もる話は、ケーキでも食いながらしようや」 冷蔵庫から、ホールのショートケーキを取り出し、置くと、四人のハッピー・バースデイ・トゥー・ユーをBGMに、ろうそくを十四本立て、ライタ
「うぁけまして、おめでとおごじゃいまふ……」 きいろ、寝ぼけ眼をこすりながら、両親に挨拶。「あけましておめでとう」「あけましておめでとう。だらしないわねえ」「年越し番組見てたら、寝不足で……。あふ」 うつらうつらしながら、食卓につく。「ご飯食べ終わったら、ご近所さん回るからね。しゃきっとなさい、しゃきっと」「ふわぁ~い」 もそもそと、おせちをつつくきいろ。新年早々、弛緩した朝である。 ◆ ◆ ◆ 「あけましておめでとうございます!」 一家三人そろって、ご近所訪問。父母の懐が寂しくなる代わりに、きいろの懐が厚くなっていく。「うふふ~。何に使お」「無駄遣いはダメよ? お父さんみたいにカードゲーム買い込んだりとか」「わかってますよ~」「母さん厳しいなあ。仕事に必要なんだよ」 そんな会話をしつつ、ご近所さんを回ったら、家に撤収。きいろの友人一家を、家に誘ってあるのだ。「あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします」 奥野一家、元気にご挨拶。「あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします」 ご挨拶返しする佐武家。 その後、大須家、工藤家と到着し、最後にカタン家。「あけまして、おめでとうございます」「あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします」「アケマシテ、オメデトゴザイマス」 母娘三人で、ご挨拶。産みの母が、一番日本語が流暢なようだ。「あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。カタンさん、はじめまして。娘がお世話になっています」 佐武夫妻が、ご挨拶返し。 その後、大人たちはリビングで酒盛り、子供たちはおなじみ客間で談笑。「お酒って美味しいのかなー?」「どうだろね。お父さんは、ビールが好きみたいだけど」「ビールって苦いんだろ? ほんとにうまいのかね?」「ピーマンみたいなものなんじゃないですか?」 そんな話題を繰り広げる。「二十歳までお預けかー」 ぼやくきいろ。「ドイツでは、十六歳からビール飲めますよ?」「マジで!?」「はい」 ノヴァルナの話に、一同びっくり。「日本より、四年も早く飲めるのかー」「ほんと、国によって法律違うよねー」「気分だけでもお酒飲もうってことで、こんなゲームはいかが?」 リーダーが取り出したのは、ボジョレーティン
カレンダーはまたたくまにめくられ、十二月。 我らがリーダーも、スパッツをやめて黒いタイツを履いていた。相変わらず、女子だけなのをいいことに、足を開いている。皆も、タイツ状態だ。 師走というが、きいろたちもテスト勉強で忙しかった。「かるかん。このrightは、右と正しいどっち?」「正しいの方だね」「きいろー。x=9、y=-3で合ってるかー?」 いつもの部室も、この様な感じで忙しい。特にノヴァルナは……。「これ、なんて読みますか?」「えっとねー。しょぎょうむじょう、だよ。意味は……なんだっけ、かるかん」 言葉の壁があるので大変だ。 るうは一年下なので、相変わらず自分の教室。 こんな、師走な日々も過ぎていき……。「づがれだあ~!!」 テスト明け。五人、部室で久々の揃い踏みである。「先輩方、テストお疲れ様です」「るーこもお疲れ~。よーし、遊ぶぞー!」 あれから、冬休みに向けて、棚をだいぶ整理している。 今日は、UNOとババ抜きで遊ぶことに。「あっ、そうだ。二十四日に、クリパうちでやる予定なんだ。るーこも、ノヴァ子も来るよね?」「そうなんですか!? 行きます、行きます!」「クリパ? クリーパーがどうしましたか?」 マインクラフトの、アレを思い浮かべるノヴァルナ。「あー、クリスマスパーティーね」 「オー」と、合点がいく。「じゃあ、プレゼント交換あるから、用意しといてね~」「はーい」 そして、二十四日。「メリー・クリスマース!」 サンタの格好をした佐武家一同が、クラッカーを弾けさせ、皆を迎える。「おじさまたちも、好きですねえ。そういうの」「ははは。一家の体質かもね」 思えば、流しそうめんもやったものだ。「ささ、上がって上がって」「おじゃましまーす」 さっそく、ブッシュ・ド・ノエルがダイニングのテーブルに置かれ、ノリノリな父が、切り分けていく。「じゃあ、まずはクリスマスを祝って……いただきます!」「んー! おいしーい!」「美味しいですね!」 きいろ、ノヴァルナ、皆々も満足。「近所にシャトレーゼあって、ほんと良かったよ~」 シャトレーゼ信者、きいろ。微笑ましい。 一同、しばし談笑。ケーキに続き、母特製フライドチキンが出される。「ほんとは七面鳥食べるそうじゃない? どんな味なのかなー?」 きいろ、